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【市民ライター企画インタビュー編】フライドポテト専門店「one FRIT」川上信吾さん

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市民ライター企画第2弾のインタビュー編では、浜松のリノベーションまちづくりが進んでいく中で、新たに生まれた『人の輪』に着目し、それぞれの場所でほしい暮らしを実現してリノベーションまちづくりに関わる人々にスポットを当ててインタビューしていきます。


今回はインタビュー編という事で、浜松サザンクロスほしの市に出店されていた「one FRIT」の川上信吾さんにお話を伺った。


「one FRIT」の川上信吾さん

「one FRIT」は1から始まる食文化をコンセプトに、地産地消をテーマとしたこだわりの食材で作るフライドポテト専門店。西区舘山寺町の浜名湖のほとりにあるat the storeでの営業を中心に、キッチンカーでさまざまなイベントにも出店している。


西区舘山寺町にあるat THE STORE

 


at THE STOREイートインスペース

駅南を盛り上げるほしの市

浜松サザンクロスほしの市もそのイベントのひとつ。
出店のきっかけは以前のオーナーさんのひと言だったという。

川上さん 「前のオーナーに今度このイベント(浜松サザンクロスほしの市)に行ってきて、と言われて。元々別の飲食店で働いていた事もあって、正直なところほしの市を開催している事をその時初めて知りました。でも、実際に行ってみるとお客さんでとても賑わっていてすごいなぁって思って。ー僕たちは舘山寺を盛り上げようとしていて、まちなかであったり天竜・二俣であったり、浜松のいろんな場所でそうやって盛り上げようとする火を焚きつけている事が理想だし、浜松に来てくれた人たちが回ってもらえたらいいなと思います。」

浜松出身である川上さんはサザンクロス商店街がかつては「砂山銀座」と言われ賑わっていた事を父親の話で聞いたそう。

川上さん「あそこに商店街があった事はもちろん知っていました。ただ今はあまり賑わっていないというか、人通りが少ないイメージで。ほしの市に出店する事になった時、今度こういうイベントに行くんだよ、どんなところなの?なんて父親に話して、今では人通りが少なくなってしまったサザンクロス商店街も昔は『砂山銀座』って言ってすごく賑わっていたんだよ、と聞きました。その場所に何かポイントがある事ってすごく大事だと思うんですけど、ほしの市は『サザンクロス商店街=ほしの市』ってみんなが思いつくくらい定着していて、そういうところもすごいと思います。」


浜松サザンクロスほしの市への出店の様子

さまざまなイベントに出店されている川上さんに、ほしの市の魅力を尋ねてみた。

川上さん「いつどの時期でも賑わっているイメージ。それがアクセスの良さなのか、でもやっぱりスタッフさんの熱量が違うというか、もちろんみんな熱を持っているけど、そういう気持ちを持ったスタッフさんの人数が他のイベントと比べてたぶん多いんじゃないかなぁ。それだからか人が集まりやすいんじゃないかと。あとは浜松で定期で月に1回必ずやっているイベントってたぶん他になくて、常に燃え続けている事やそこに行けばイベントをやっている事がお客さんたちの安心感に繋がっていると思う。何よりずっと続けているという事が本当にすごいと思います。」


こだわりの食材で作られたフライドポテトは
好みのカットやソルト・ディップを選べる

帰って気づく浜松の魅力

川上さんは20代の頃サーフィンに魅了され、全国にとどまらず世界の波を追って旅をした経験があるそうだ。

川上さん「浜松の人には多いと思うんですけど、『浜松には何もない』みたいな。20代の僕もそうで、幸いサーフィンには出会っていたけれど当時浜松の魅力は全然何も見えていなかったです、全く。それで波を追って全国や世界各地に出て行って。やっぱどんなところに行っても海外ってキラキラしてて、新鮮で、当たり前の生活でも自分がドキドキワクワクしていて。オーストラリアでワーホリをしていた時も現地で出会った僕と同じような日本人と今日の波はああだった、こうだったと話したり、人生の話をしたり…。その中である友達が『人は根づけばいつでも花は咲かせられるよ、って昔の彼女に言われたんだよね。』と話して、その時僕のほうが胸を打たれて『自分には根っこがない!』って。でも次の旅に飛び出してしまったんだけど笑。どこかに『根づくこと』っていうのが引っかかっていて、絶対そうだよなぁと思って。」

その後アメリカへ渡り、波を求めて南へと旅は続いた。しかしコスタリカまで辿り着いたある時、今まで何ひとつ文句を言わなかった母親に「できるだけ早く帰ってきて。」と初めて言われて何かを感じた川上さんは、3日後に帰国したそうだ。

海外で出会った外国人たちは皆、自分の地元の事をおいでよ!こういうところ遊びに行こうよ!と話してくれたという。しかし川上さんは浜松ではどこへ連れて行ったらいいのか咄嗟には思いつかず、その事もどこかに引っかかっていたという。

浜松へ戻って来た時、とにかく『根づく』という事をしようと考えた川上さんは、自身で浜松のさまざまな場所を回ってみたそうだ。

川上さん「地元に何かないかなって回ってみたらゴロゴロ出てきて、景色のいいところもたくさんあって。人もいい人が多いと思う。僕はとりあえず浜松が大好きなんですよ。20代の頃は浜松にいいところなんて何にもないと思っていたけど、帰ってきて探してみたらめちゃくちゃいいところなんだよね。新しい眼で見ようとすれば地元も十分楽しめる、ほしの市もそういうもののひとつだと思う。初めて商店街に行ってみたら人がたくさんいてお店もたくさんあって、何かな何かな??ってワクワクしちゃうみたいな。」


イートインスペースからは舘山寺の美しい景観を
眺めることができる

 


天気が良いと燃えるような美しい夕焼けも見ることができる

浜松市民みんな観光大使に

最後に今後の目標を聞くと、

川上さん「浜松の人が自分の友達とか知り合いとかを呼んで浜松で一緒に遊んでもらえるのが1番いいと思う。浜松市民みんな観光大使みたいな。市民ひとりひとりが地元が好きだから、おいでよ!って言えるわけで。その中のひとつでここに寄ってもらう事もそうだし、ほしの市に行ってもらえる事もそうだし。みんながおいでよ!って言えるといいなと思います。」

と川上さんは語った。

私も東京から帰ってきて、浜松の良さを再認識した部分が大きい。美しい水や緑に溢れた景色と暖かい人。リノベーションまちづくりから生まれた場所やそこから繋がって広がっていく人やものも浜松の新しい魅力だと思う。

私は浜松の魅力をたくさん知っているから今すぐにでもおいでよ!と言いたいし、同じ気持ちを持つ人がどんどん増えてくれたらそれもまたまちづくりになるのだろうと思う。

 

市民ライター 西野 咲 

 

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