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【市民ライター企画】天竜まちあるき(前編)鈴木俊太朗さん

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こんにちは、鈴木俊太朗と申します。
神奈川県出身で、2018年に就職を機に浜松に住み始め、そろそろ3年半が経とうとしています。

まだまだ新米浜松市民ですが、浜松はいいまちだなと感じています。暮らしやすく過ごしやすい、まちは音楽で溢れている、土地にも食にも文化があり観光しても楽しい。

コロナ禍のいまは積極的にはできていませんが、会社の同僚と共に音楽活動をしたり少し出かけてみたり、関東の友人が浜松を訪れたときに一緒に観光したりと、浜松を楽しんで過ごせています。

しかし、天竜には足を踏み入れたことがありませんでした。行く機会も、きっかけもなかったというのが正直なところです。

今回ご縁があって、市民ライターとして天竜を訪れることができました。そんな私の視点から見た、感じ取った天竜というまちについて、読んでくださる方にお伝えできればと思います。

天竜は昔といまが混在するまち

今回は、天竜二俣のクローバー通り商店街の周辺をまちあるきしました。まずは、訪れた中で特に印象的だった場所を4つご紹介したいと思います。

新しいコミュニティの核〈山ノ舎〉

クローバー通り商店街の中央に位置する〈山ノ舎〉。1階は喫茶店、ダイニングバーとして営業しており、2階はシェアオフィスとして利用できます。

〈山ノ舎〉の代表の中谷さんは浜松生まれ、天竜育ち。東京の大学へ進学・就職後、帰省した際に天竜のまちの衰退を実感。前職のご経験を活かしながら、天竜のために何かできないか模索する中で、いまの〈山ノ舎〉の形にたどり着いたそうです。

「〈山ノ舎〉はコミュニティの核となる場所にしたい」「いまは種蒔きの時期」と語る中谷さん。

コミュニティの核となる場所があることで、天竜の未来を語る機会が生まれる。プロジェクトが立ち上がり、人が集まる。そういうことの積み重ねで、少しずつエリアの魅力が上がっていく。

ここは言わば、天竜の新しいベースキャンプなのだと思いました。

HP:https://www.yama-ie.com/

駅舎ホテル〈INN MY LIFE〉

〈山ノ舎〉の中谷さんのプロジェクトのひとつ、それがこの駅舎ホテル〈INN MY LIFE〉です。

駅舎ホテルという名前の通り、無人駅 天竜浜名湖鉄道の二俣本町駅の駅舎の形そのままに改装した斬新な外装をしています。内装はというと、照明・家具・食器・食事など、隅々までこだわり抜かれた一室のみのホテルです。

正直、私は「今すぐにでも宿泊したい!」と思いました。ここで過ごす時間・空間でどんな非日常が味わえるのだろうと思うと、すごくわくわくします。

予約を取ろうと思ったのですが、(訪問した7月末時点で)8月はもういっぱいでした。

HP:https://www.innmylife.com/home

天竜ハム〈吉野屋精肉店〉

昭和9年創業〈吉野屋精肉店〉。「天竜ハム」の看板が目を引きます。

店内のショーケースには、昔ながらの製法で手造りされたハムをはじめ、お肉、ベーコン、ソーセージがずらりと並びます。

お店に入ると、店主の菊池さんご夫妻が明るく迎えてくれました。「昔の天竜はまゆと木材で栄えていた」と、いまよりもずっと活気のあった頃の天竜を知る菊池さん。それでも「(最近は天竜に)若い人が入ってくれて少しずつ活気が戻ってきた」とも。

シャッターが下りていたり、空家になったりしている店が珍しくなく、少し寂しいクローバー通り商店街の中でも、一際温かみを感じたお店でした。

サスティナブルなジェラート〈包商店〉

太陽照りつける7月末の昼下がり、オアシスのように感じたジェラート屋〈包商店〉。

家具や雑貨のデザインも手がけ、デザイナーとしても活動する〈包商店〉の店主の西村さんが天竜に関わったのは、〈INN MY LIFE〉のディレクションがきっかけだったとのことです。その後、天竜の居心地の良さに惹かれ、この場所で何かしたいと始めたのが〈包商店〉だったそう。

「捨てられるはずだったものを使った場のデザインがコンセプト」「アイスで人気になりたいわけでなく、訪れる人に大切な時間と空間を提供したい」と、西村さんは話してくれました。

ショーケースの前には「間引き人参」「ガリガリガーリッ君」「ほうじチャイ」など、個性的な名前が付いたジェラートのポップが並びます。私は「酒かすと日本酒」をいただきました。メニューは日によって変わり、週末には売り切れてしまうそう。次に行くときは何が食べられるのだろうと考えるだけで楽しみになります。

Instagram:https://www.instagram.com/paostore.ftm/

初訪問者視点の天竜というまち

「あれ、思っていたよりも人がいる!」

中区の自宅から天竜に向かう道中、集合場所の〈山ノ舎〉に近づいた車内で私が感じた天竜の第一印象は「思っていたよりも車通りが多いな」「思っていたよりも雰囲気が明るいな」でした。

私が事前に(勝手に)持っていたイメージは、車通りも人通りもなく、シャッターが下りていてどんよりとした商店街の雰囲気でしたが、実際の天竜のまちの雰囲気はそのイメージとは異なっていました。

もちろん、浜松の街中のような人通りも、観光地のような活気があるわけでもありません。シャッターが下りている店舗も、実際に少なくないと思いました。しかし、仕事のために行き交う車たち、買い物に出かける地元の人々、夏休みの余暇を活かして出かけに来ているだろう大学生たちの様子を目の当たりして、私の予想に反して活気に満ちて見えたのです。

私はその後の半日のまちあるきで、その活気は〈山の舎〉を中心とした活動のおかげであることに気が付くことになります。

昔といまの混在、助け合い

クローバー通り商店街では、昔ながらのお店と新しく入ってきたお店が混在し、それらが助け合って相乗効果を及ぼしていると思いました。

半日のまちあるきの中だけでも、以下のようなお話が聞けました。

  • 〈山ノ舎〉や〈INN MY LIFE〉では、〈吉野屋精肉店〉の天竜ハムをはじめ、地元の野菜や肉を使用した食事を提供している。
  • 〈包商店〉では、周辺の石屋とコラボして、食器を作ってもらう計画がある。
  • 天竜に少し活気が戻ってきた影響もあり、昔ながらのお店が新装開店の準備中。

若く新しい力がやってきて、その土地の力と手を合わせて新しい風を吹かせる。風に乗って人や物が運ばれてきて、経済が回る。その結果、もともとの土地も少しずつ力を取り戻していく。そんな好循環が生まれ始めているのだと思いました。

蒔いた種が芽となり見え始めている

まちあるきをする道中、中谷さんが「数年前と比べたら考えられない」という光景にいくつも出会いました。

  • すれ違った女性と「これから打ち合わせなんですが、〈山ノ舎〉使っていいですか?」「もちろん!」という会話があった。
  • 地元の親子が商店街の〈包商店〉で待ち合わせしていた。
  • 大学生くらいの男の子数人が、熱心に商店街の写真を撮っていた。

数年前から、中谷さんをはじめとしたみなさんが蒔き始めた種が、いま少しずつ芽となって見え始めているタイミングなんだと実感しました。

中谷さん自身、一度天竜を出て都会の暮らしをご経験された一人です。天竜にUターンし、住み始めて改めて見えてきた課題もあると言います。「中の人って地域の魅力も、課題も認識しづらい」「必ずしも儲かるわけではないが、天竜のサスティナビリティを向上することがテーマ」と語ってくれました。中谷さんの種蒔きはまだまだ続くのでしょう。

今回の天竜への訪問で、私の中の天竜へのイメージは、良い意味で裏切られました。

訪れる前:自然豊かそう、人があんまりいなさそう

訪れた後:人が出ていく現実がある一方で、面白いことを考えている人たちがいる、素敵な場所がある!

この記事を読んでくださった方に、私がいま思っているのと同じように「天竜のイメージが少し変わった」「天竜って面白そう」と思ってもらえていたら嬉しく思います。

私自身、私の第三の故郷となりそうな浜松の中の、魅力が花咲きそうな天竜というまちを、これからも訪れたいと思います。

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