【はじめに】
1986年生まれ。浜松市で育ち大学から上京。現在は東京で会社員をしており、2023年で37歳になります。
浜松(主に浜北区と天竜区)が大好きです。理由は沢山ありますが、自分がいきいきできる場所だから好きなんだと思います。
リノスクで変化が生まれた自分の気持ちをつらつらと書かせていただこうと思います。
※個人の気持ちのことなので、共感はできかねる場合がございます。
【自分のこと】
約20年になる東京での生活は、正直肌が合わずいつか浜松に帰りたいと願い続けて10年以上が経ってしまいました・・・
会社員としての給料は悪くないし、生活に困っていることもない。家庭も持つことができ、仕事は経験を積み、安定して社内でも中堅どころに・・・自分で言うのもなんですが、幸せな人間なのだと思います。
ただ、何不自由ない生活でも、本当にこの生活があと数十年続いて「自分の人生は最高なものだった」と胸を張って言えるのかと想像してみると、それはない。
浜松に帰りたい。
いわゆる、「悶々とする」という日々が10年以上続いています。慢性的な悶々です。
なんでしょうね。無いものねだりということなのでしょうか。
それでもそんな思いが10年以上続くと、もはや「故郷に胸を焦がす」ということは、生きる指針といいますか、生きる糧といいますか。初期衝動とは違うものに変化して、浜松に帰るということが人生の大きな目標になっています。
ただ、大きな目標になることで、逆にどんどんと浜松に帰ること自体、ハードルが上がっていっている気さえも感じていました。
焦る必要もない、初期衝動もない。
ただ拭えないだけの”希望”が心の真ん中に居座ることは、多様化する世間の価値観の中で、自分が信じる「幸せ」というものが一体何なのか分からなくなっていくような、そんな状態にさせていきます。
そう、それは迷子です。
自分の人生で迷子になってしまいました。
結局は、何が一番かを決めきれない、決める必要もないまま、喧騒に流されるだけの毎日のせいにして問題を先送りにしているだけだったのかもしれませんが・・・
【動き出す自分】
あるきっかけがあり、僕は10年以上続けた仕事を辞める決心をし、地域プロデューサーの勉強を始めました。
何でも”きっかけ”って大事ですね。結局動き出す時は”きっかけ”です。
その”きっかけ”を自分で作るのか、与えられるのか・・・でもタイミングは逃したらダメです。
マンネリした不満の残る可能性がある人生には、変化が必要です。
「循環がない水槽が放置されれば水槽の水は腐ってしまう」ように、変化や動きがなければ人間も腐ってしまうという持論がここで発揮されました。
そのタイミングで目にとまった、浜松市のリノベーションまちづくりのワークショップに参加しました。
そのとき学んだ浜松で活動する実業家の方々の知恵
そのとき感じた地域で活躍する方々の熱量
そのとき出会った同志たちの想い
自分の価値観の狭さを受け入れざるを得ない経験でした。一生の財産になるような経験でした。
そして、自分は人にいきいきと話せられるようなことをできているだろうか・・・自分が東京で培ってきたものは何だったのだろうか。
僕は感じました。
東京にない、最先端のものが、確実に地方にはあります。
グズグズしていた自分の気持ちは、行動とともにモヤが晴れて、明確な道になり始めた気がしました。そして、その先にあったリノベーションスクールにも必ず参加したいと決意したのでした。
ここまでで共感できない方も多いかと思いますが、同じように地元にUターンしたいなと想像している方には、まずこう言いたいです。
「一度、浜松に飛び込んでみてください。景色が変わります。」
【大人のお節介は、ありがたいこと】
大人になると、気遣いを覚えます。お節介が迷惑になることもあります。
だからか、他人から気にかけてもらったり、背中を押してもらうことも減るんだなと、リノスクが終わった今、痛感しています。
リノスクはとても楽しかったです。
我々天竜のチーム・Unit Dは、「どうしてもこれをしたいっ!!」というはっきりとしたビジョンのある方が最初からいませんでした。
そのため、最初は物件を与えていただき、二俣という町の歴史を学び、今生きる自分達がこの物件をどう活用するのがいいか、学校の課題に取り組んでいるような気持ちでした。
ただ、考えていくうちに、自分たちの考える事業が我が子のように可愛くなっていきました。
でも一つ心配が残ります。この子供をちゃんと育てられるのか・・・
正直、事業を考えるだけで満足している自分もいたのですが・・・
ユニットマスターや市役所の方からは、「やるからにはちゃんと事業化してください」「誰がこの事業をやるのかちゃんと決めてください」
そんなお節介というか、強引というか・・・そんな言葉を突きつけられ・・・
(ここでは背中を押してもらったというポジティブな意味合いです)
ただこのお節介があったことにより、我がグループはしばし険悪なムードを味わいました。
誰が責任を持って事業化するのだろうと・・・
リノベーションスクールに参加しているにも関わらず、こんなことで変な空気になるのには大きな理由がありました。
それは、このグループのメンバー全員今の本業が大事で、「今このタイミングで絶対新しいことを始めろ!」と言われても、すぐには結論を出せない人たちばかりだったから。そりゃ、みんな色んな事情がありますよね。自分もそうですし。
それでも誰かがやると言わないと発表すらさせてもらえない空気。なんとか打開策を見つけねば・・・
そんな中、僕らが出した答えは、『自分たちの今の生活は守りながらも、少しずつ時間や力を出し合ってみんなでこの子供を育てよう』というものでした。
要は、一人で事業化するのではなく、みんなで事業を起こそうというものでした。
不思議ですよね。出会って数日しか経っていない色んな年代の大人たちが、一緒に仕事を始めようと考えるなんて。
この考え方は、人生をかけて地方で事業を起こすことだけが正義ではなく、
「今ある生活を守りながら、『スモールスタート』で『地方』で事業を始める」
という、僕らの中での新しい価値観になりました。
こんな考えに行き着けたのも、リノスクのお節介というか、強引に背中を押してくれるシステムがあったからだと、ありがたく感じています。
考えすぎて進めなくなってしまっているときは、偶然でもいいし、強引にでもいいし、無理やりにでも前に進めさせてくれるお節介が、新しい景色に連れて行ってくれるのだなと・・・
【最後に】
「『スモールスタート』で『地方』で事業を始める」
この答えに行き着けたことで・・・リノスクは、物件をリノベーションし、どう活用するかを考えるだけでなく、地方での働き方や事業の考え方を考え、自分の人生をどうリノベーションするのかをも考えられる場所だということに気づけました。
僕もおかげさまで、10年以上モヤモヤしていたものが晴れ、地元での新しい小さな一歩を踏み出すことができました。「好きな地方や地元で何かを始めたい」と思う僕らのような人たちの新しい道しるべを作ることが、僕たちUnit Dの今の目標になっています。
もし地方での独立を考えている方がいれば、はじめから思い切った決断をするのではなく、まずは小さく一歩を踏み出すという選択もあると思います。
リノスクでそんな仲間と出会えることもあるので、是非リノスクへ参加してみてください。
文脈もなく独り言のようなまとまりのないレポートを読んでくださり、ありがとうございました。