今回ご紹介するのは、「第6回リノベーションスクール@浜松」での提案内容です。
尾張町の水回り
UnitA(尾張町交差点元洋服店)
対象物件は交差点に面した2階建の元洋服店。第5回リノベーションスクールで対象となった物件と、はす向かいに位置しており、大きな母屋や倉庫と、通りの裏道を入ると庭も付いている物件です。
スクールでは、周辺地域に多く居住しているクリエーターに着目し、地域に不足している機能(お風呂)の設置を提案しました。1Fはシェア型のシャワー室を設け、惣菜デリや共有の庭を整備し、2Fは管理者の他、2名の居住スペースに。まち全体を家ととらえ、安心できるまち・面白い人材が集まってくるまちを目指します。
現在は、スクール対象物件の店舗棟は学生向けのシェアスペースに。また、オーナーさんとの関わりの中で信頼関係が生まれ、敷地内の母屋・倉庫部分も活用を任され、「家づくり相談室」のほか、発酵食や本づくりを体験できる製本所などが入居する予定です。
Bridge project
UnitB(池町通り元靴屋)
対象物件は池町通りに面した元靴屋。繫華街を抜けた場所に位置しており、戦後から続く問屋が残るエリアです。通りに面した問屋の1Fにはオーニングが設けられており、対象物件にも設置されています。
スクールでは、池町通りのリブランディングを目的に、「日常の暮らしと特別な暮らし」の架け橋となる仕組みを検討しました。具体的には、地域ケアとして健康講座や見守り活動の実施、可動式のコーヒースタンドの設置などを提案しました。また、イートインが可能なシェアスペースも設置し、地域の人と来訪者の交流を図る仕掛けづくりをしていきます。
現在は、この物件での事業実現はかなわなかったですが、スクールをきっかけに、地域ケアとして「コミュニティーナース」の活動や、コーヒー屋の起業など、それぞれの“ほしい暮らし”の実現に向けて動き出しています。今後の活動に注目です。
暮ろす
UnitC(紺屋町交差点元事務所)
対象物件は紺屋町交差点に面した元事務所。対象物件の周辺には市役所や公園などの公共施設が多くあり、近年ではマンション建設に伴い居住者の増加がみられるエリアです。
スクールでは、近年のマンション建設に伴う居住者増加と、古くから地域にある老舗や、周辺に多数配置されている公共空間・施設の利活用に着目しました。そこで提案したものは、1Fはテイクアウトや店内での交流が可能となる飲食店(ホットサンド)とし、2Fは会員制のワークショップの実施・運営を行っていくことで、地域の多世代交流を図っていきます。
スクール後は、「暮ろす」の活動を知ってもらうため、また、ホットサンドのメニュー開発や需要調査も兼ねて、「浜松サザンクロス ほしの市」でホットサンドの販売を行うなど、意欲的にその活動を進めていきました。しかし、事業実現に向けて検討を進める中で、物件でホットサンド販売等を実施するプレイヤーが見つからないなどの課題があり、事業化には至りませんでした。
リノベーションスクールをきっかけに、新たな事業が始まったり、
対象物件とは別で、自らの“ほしい暮らし”の実現に向けて動き出したり、
また、自分が真にやりたいことや関われることを考えた結果、対象物件での事業化には至らないことも、もちろんあります。
スクールでは、対象物件での事業化を目指すことがひとつの目標ではありますが、
この場をきっかけに、新たな仲間との繋がりを生み、リノベーションまちづくりのプレイヤーが増えることも大きな財産となります。
あなたもリノベーションまちづくりに関わることで、新しい自分、仲間との出会いを体験してみませんか?