11月に開催した「第7回リノベーションスクール@浜松」。
受講生たちがユニットマスターとともに3日間で考え抜き、物件を活用した事業プランを提案しました。
まずはユニットAの提案からご紹介します!
「コミュニティベースイトキチ~糸吉~」
対象物件は、尾張町にある元テーラー屋。
オーナー様が長年テーラー業を営んでいた空間です。
まずはエリアリサーチと物件の内覧からスタートしました。
▲周辺のまち歩き。お店の人にお話を伺ったりしました。
▲ユニットAのメンバーは食べることが大好き。
尾張町エリアには老舗のお菓子屋が多く、エリアリサーチでたくさん立ち寄りました。これもまちを知る一歩!
▲エリアリサーチ
昔の地図と見比べると、昔は浜松城を中心にまちが形成されていたことが分かります。
その当時、尾張町はその中心部に近く、街道沿いに位置する町でした。
現在は、浜松駅を中心にまちが形成されており、尾張町は整備された幹線道路と少し離れた位置にあります。
エリアには、老舗の商店もありますが、建物を取り壊して平面駐車場ができていたり、学生や若者向けの飲食店の出店があるなど新しい動きも見られました。
▲物件の内覧の様子。
対象物件は、赤レンガ造りで細部までオーナーさんがこだわって建てたもの。
テーラーを営んでいたころの什器、備品が残る空間です。
服作りに愛を持って取り組んでいたお話や、お客様との綿密な関係性・・・
地域のコミュニティにも深く関わり、人やつながりを大事にするオーナーさんのお話を聞き、
何かを受け継ぎ、この空間でしかできないことをやりたい、という想いが生まれました。
しかし、受け継ぎたいという想いにばかり考えが寄ってしまい、
事業プランがなかなかまとまらず、苦しい時間も。
想いばかりが先行して、何をやるかがなかなか明確になりませんでした。
そんなとき、オーナーさんは、後を継いでほしいのではなく、
どんな事業でも話の合う人がここを使ってくれたら、と言っていたことを思い出し、
自分がこの場所で何をしたいのか、ひとりずつ話し始めました。
自分ごとになって、それぞれができることを考え出したとき、事業プランが形になりはじめたのです。
尾張町は元々「紐垂(ひもたれ)」と呼ばれていた地域。
三方原の合戦で敗れた徳川家康が、鎧の紐を垂らしたまま通過したことが由来です。
オーナーさんの想いとこの土地の歴史を掛け合わせて、
これからはこの場所を基地(ベース)にして私たちが地域の繋がりを結ぶ糸のような役割を担っていきたい!
そう考え、「コミュニティベースイトキチ~糸吉~」をユニットメンバーではじめようと考えました。
コンセプトは「暮らしを仕立てる!」
まち、仕事、出会い・・・様々なものを仕立てる基地のような空間を作りたいという想いが込められています。
まずは、「まちの仕立て」「出逢いの仕立て」「仕事の仕立て」をキーワードに、
ユニットメンバーでワークショップを行うことを考えました。
ユニットメンバーが、オーナーさんの想いや人柄に惹かれ、
何かを受け継ぎたい、という気持ちがこのプランのコンセプトに表れています。
想いの詰まったこの物件が、これからどのような新しい場所に生まれ変わっていくのか、楽しみですね!