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【市民ライター企画】3児の母が家業への誇りを胸に 瓦の魅力を伝えるカフェ「 gramme」をオープンするまで

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市民の方がリノベーションまちづくりに関わる面白い方にインタビューし、記事を執筆する「市民ライター企画」。2022年度は、2人のライターに3つのテーマで取材・記事を執筆いただきます。

今回は、過去にリノベーションスクールに参加し、自分のほしい暮らしを実現しようとしている方にお話を伺いました。


こんにちは、こっこと申します。
普段は2児の母をしています。浜松の端っこでのんびりと生活しています。
ご縁があり、市民ライターとして執筆させていただけることとなりました。貴重な機会をありがとうございます。

今回は、株式会社 柳本産業の柳本茉希さんにインタビューを行いました。リノベーションスクール@浜松への参加のきっかけから、参加後にどんな変化があったのかを柳本茉希さんの視点でお伝えします。

<プロフィール>
◆柳本茉希
1983年6月、瓦屋を営む柳本家に次女として生まれる。
3児の母。信用金庫に16年勤め退職。2019年実家の株式会社 柳本産業へ入社。
2021年、2022年にリノベーションスクール@浜松へ参加。
現在は、瓦の良さを広めることや、新しい活用方法を研究する「Re:kawara Design Lab(リ:カワラ デザインラボ)」の活動を行う。

◆株式会社 柳本産業
明治23年創業。明治30年、瓦製造開始。平成初期まで瓦を高林の自社工場で製造。その後は瓦屋根施工をはじめ、リフォーム業・屋根工事業・外壁工事業を行う。

リノベーションスクール、参加のきっかけはライフステージの変化から

16年勤めた会社を辞め、実家が営む屋根工事業の「株式会社 柳本産業」に広報・企画として、入社。3人の育児に追われる忙しい毎日。さらに、人生の転換となるようなことが重なった時期。

そんな中、ふと頭に浮かんだのは

「自分の人生を見つめ直したい。」

そんなことを考えていた時に、たまたま目に止まったのが広報はままつに掲載されていた、リノベーションスクールの記事でした。

<仲間との出会い・対話を経て見つけられた想い>
私でも何かできるのかな?自分自身を変えたい!という想いで、2020年のリノベーションスクール個人版に参加しました。

そこではさまざまなバックグラウンドをもつ仲間との新しい出会いがありました。いろんな方にお会いしたり、お話を聞く中で自分自身が何をしたいんだろう?どういうふうに生きたいんだろう?と参加後1年ぐらいは、自分を深掘りする時間がありました。

実家の「柳本産業」を発展させたい!

深掘りする時間の中で見つけられた答えはーー。自分が楽しみたい、豊かになりたいということもあるけれど、やっぱり実家の家業が安定・発展して、本当に自分の家族やまわりのみんなが幸せであることが、自分の幸せなんだなという考えに至りました。

まずは家業の仕事を一生懸命取り組もうという気持ちになっていき、翌年2021年のリノベーションスクール企業版へも、柳本産業として社長と共に参加しました。

瓦を取り巻く状況

私たちが取り扱う、屋根瓦は地震や台風の災害に弱いという報道もあってか、新築で瓦を使う方が減っている現状があり、ここ30年間で需要が8割〜9割減ってしまっています。
そんな瓦ですが、天然の粘土を焼き固めたもので、古くから使われており、耐久性がとても高く、50年〜100年と使える素材です。1400年前に建てられた奈良の法興寺の屋根には、当時使った瓦が一部残っているほどです。

部分的に入れ替えたりもできるので、お手入れをすればずっと長く使え、とてもサスティナブルな素材と言えます。

リノベーションスクール参加を経て瓦の魅力を伝える場所 “ gramme” をオープン

たくさんの人に瓦を知ってもらいたいという想いから、遠州病院駅から徒歩6分の場所に ブックカフェ “ gramme”  をオープンすることになりました。この場所を選んだ理由としては、近くにリノベーションスクール発の複合店舗「みかわや|コトバコ」があり、 grammeが出店することで、エリアとしてもさらに活性化していけばいいなと考えたからです。

(改装前の店内の様子)

店名の grammeは瓦という文字が、重さの単位のg(グラム)を示す漢字だったというところから命名しました。伝統と現代、重いと軽い、集と個など相反するものを表す場となるといいなと思っています。

店内は、大きくふたつに分けてカフェスペースとワークショップスペースがあります。店舗デザインを+ticの鈴木陽一郎さんに依頼し、瓦を身近に感じていただくために、色々な仕掛けを施しました。

その一つが床材で、瓦の廃材をモルタルに混ぜています。瓦の透湿性に優れた特徴を生かせるのではないかと実験的に導入してみました。“瓦(グラム)”は【Re:kawara Design Lab】として瓦の可能性を研究する場でもあります。

カフェスペースで使用する食器は、浜松の陶芸家、井口 淳さんと一緒に瓦の風合いのある器をオリジナルで作りました。食器は店内で購入することも可能です。スイーツのメニューもモナカをメインに黒やグレーをテーマに開発中です。

ギャラリーとしても使えるワークショップスペースでは、生活が豊かになるようなイベントを企画していきたいと思っています。まずは、“鬼瓦手作り体験”を開催予定です。

カフェで読むことのできる書籍は、谷島屋さんにご協力いただき、購入することもできます。瓦を含め、建築関係やライフスタイルを中心とした選書ですが、絵本もあるので、お子さんから大人まで全世代で楽しめるブックカフェになっています。

 2023年1月オープン予定
 "gramme"

 〒430-0943 静岡県浜松市中区北田町130-2

浜松市のリノベーションスクールは継続して開催されているのが魅力

他都市でも開催されているリノベーションスクールの多くは、担当者の変更や予算の問題など、さまざまな理由で数回開催し終了してしまうことも多いと聞きますが、浜松市のリノベーションスクールは2014年に始まり、現在まで続いています。

過去の受講生とお会いする機会も多く、みなさんとても協力的。そんな受講者同士で教え合うという循環ができている点や、浜松市の行政の方に、悩んだ時に何度も相談に乗っていただいたりと、しっかりとサポートしてもらえることも長く続いている秘訣だと感じます。

今回の“ gramme” もリノベーションスクールに携わる人たちのサポートにより、2年かけて形にすることができました。途中でリノベーションスクールの取り組みが終了してしまっていたら、実現できなかったことだと思います。

まずは行動してみませんか?

最初は何をしたいかもわからなかった私が、 grammeのオープンまで辿り着けたのは、リノベーションスクールとの出会いがあったから。
行動していくうちに、家族やたくさんの仲間から応援してもらえるようになりました。

何か心に思うことがあったら、一歩踏み出して進んでみませんか。さまざまな人との出会いから、変化できるきっかけが見つかると思うので、興味を持った方はぜひ参加してほしいなと思います!


市民ライターよりひとこと

カフェのオープンまでの道のりは決して平坦ではなかったと思います。辛いこと・悲しいこともあったはず。でも、どんなこともポジティブに捉え、たくさんの行動によって、大きな変化を起こしていった柳本さん。

私も勇気と元気をいただくことができました。ありがとうございました。

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