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特集インタビュー
【History】


長坂 善人さん

株式会社長坂養蜂場 代表取締役社長
進学を機に上京後、大手はちみつメーカーで修行したのち2005年に長坂養蜂場に入社。
2013年に長坂養蜂場三代目社長に就任、ぶんぶんブラザーズのお兄さん。「ぬくもりある会社をつくりましょう」の経営理念のもと、従業員を大切にする大家族主義経営のもと社内風土向上に取り組み、お客様と地域のご縁を絆にする感動創造経営にて「感謝 報恩 三方よし」を実践。ミッションは「BEE HAPPY!」
リノベーションスクール@浜松(企業版)には第1回に参加。


→もっと知りたい「長坂養蜂場

企業版リノベーションスクールに参加したきっかけ

長坂

長坂養蜂場三代目社長 長坂善人さん
長坂養蜂場は三ヶ日で85年間事業を続けてきていますが、2年前くらいに開発した新商品 ”はちみつソフトクリーム” が非常に好評いただいています。

多い日には1000本を超えて販売をしていますが、一方で、お買い物をした後にソフトクリームを食べて帰っていただく流れになったことで、駐車場のキャパシティが限界を超えてパンクしてしまい、地域の皆様にご迷惑をかけてしまう日がありました。

三ヶ日の1店舗だけでは限界だと思っていたタイミングで、浜松市長から浜松市のリノベーションスクールがあるというお話を聞き、まちなかでリノベーションを通して新しい事業を起こすことを考えてみませんかとお声がけをいただきました。自社の課題もあったので今回参加をいたしました。

浜松市三ヶ日町にある長坂養蜂場の本店

”感謝・報恩・三方よし” と ”ぬくもりある会社”

大人気のはちみつソフトクリーム

企業版リノベーションスクールに参加してみて

長坂
うちは、「感謝、報恩、三方よし」と「ぬくもりある会社」ということで常に自社だけではなく、相手や第三者、地域などより広いものに対しての貢献を意識していて、自分も、相手も、第三者もいい「三方よし」を非常に大事に考えています。

浜松市やまちなかの課題だったり、今回のスクールの趣旨がリノベーションで色んな会社が参加しているので何かコラボレーションしてやりませんか、という部分も佐々木さんからお聞きしていて。そういう意味では、何か自社だけのものではなくて、色んなコラボレーションをすることで更に新たな価値を作れるのではないかなという期待をして参加しました。

初めてお会いする企業の方も多くて、とても新鮮でした。知らなかった企業さんと、毎回色んな形で繋がってお話する中で、繋がりが増えていったこともすごくありがたかったのを覚えています。

そしてコーディネーターの清水先生と菊地さんが毎回色んな街についてお話してくださり、清水先生に至っては海外の事例も紹介していただいて、それを毎回ワクワクして聞いていました。

実は、参加するまではリノベーションもよく知らなかったですし、まして世界のそういった事例も知らなかったので、すごくワクワクして参加していたと思います。はい(笑)

肴町周辺をまち歩きしている様子

スクールで発表をする長坂社長

ーー実際にリノベーションスクールに参加して、当初の想定通りに行きましたか?

長坂
いい意味で想定通りではなかったですね。今回でいうと、結果としてうちは丸八不動産さんとコラボレーションをして一緒にやることになりました。

なぜかというと、いくつかある候補物件の中で、まずはうちがやりたかったソフトクリームの事業とスイーツの事業をやるにあたって、お店のキャパを考慮する必要がありました。

丸八さんの物件が良くてお話を聞いてみると、たまたまその物件の通り(ゆりの木通り・肴町エリア)には、既にリノベーション事業が展開されている場所がありました。(Octagon BrewingやKAGIYAビル、肴町Littleなど)

それを聞いて、「すごい、あれも繋げられる、これも繋げられるな」とミツバチとはちみつを通して発想がどんどん湧いてきました。うちの場所としてイメージがピッタリ合ってとても魅力的な場所だと思えましたね!

本当に、点が線でつながって、面になって波及していくんじゃないかというイメージが、バババーっと湧き上がってきましたね! これは参加当初はまったく想定していなかったのでとても嬉しかったです。



ゆりの木通りの象徴、KAGIYAビル

Octagon Brewing 店舗

肴町Little
長坂
それともう一つ、想定といいますか、予想を超えたという意味では、浜松市さん、特に佐々木さんにはものすごく丁寧に親身になっていただきとてもありがたかったです。まちなかのことを教えてくださったり、色んな企業を紹介してくださったりと細かいことまで色々とサポートしてくださいました。

私は三ヶ日出身で、大学と就職で東京に出た後、戻ってきてからはずっと三ヶ日中心に色々やってきたので、浜松のまちなかのことを全然知らなかったのですが、おかげでよそ者感を感じることはあまりありませんでした

ーー今回、丸八不動産さんと事業を進めているということで丸八不動産さんや他の事業者さんとの協業のお話を聞かせください。

長坂
第一回企業版スクールの時に、丸八不動産の高林さんが自社の取り組みを紹介してくれた中で「KAGIYAビル」と「Octagon Brewing」と「肴町Little」の話がありました。その話を聞いたときは、「あ、こんな事やっている不動産屋さん変わってるなー」という認識でしたが、実際にその物件を見て、さっき言っていたように全部繋がるなと思いました。

高林さんが第一回の事例発表の時に自社の取り組みを紹介してくれていなければその情報をキャッチできなかったので、これもご縁・めぐり合わせかなと思いました。

あとは、もともと面識があったトリイソースの鳥居さんも参加されていて、屋上養蜂や、さらに色んな展開についてのアドバイスをしてくださいました。直接協業して何かをするわけではありませんでしたが、色んな方にアドバイスをいただけたのは嬉しかったですね。

みつばちを通じてエリアとつながり
はちみつを通じて街や人とつながっていく


採れたてのはちみつを試食する長坂社長

KAGIYAビル屋上から見る浜松のまちなか

屋上養蜂の採れたてはちみつの説明中

ーー今回提案した事業の進捗や今後の展開について教えて下さい

長坂
提案した事業は、次の4つです。

  • 「はちみつソフトクリーム」と「スイーツのお店」を出店
  • 屋上養蜂
  • 屋上で採れたはちみつを使って、Octagon Brewingさんで”Honeyビール”を作る
  • 採れたはちみつをまちなかのお店屋さんや飲食店さんに使っていただいてハニーイベントをする

出店の方はコロナの影響もあって来年(2021年)の3月に延期しています。年内には着工して色々商品開発をして3月のオープンに向けて進めいく予定です。来年の3月にオープンできたら、月替わりや季節替わりに新しいフレーバーのソフトクリームを出していけたらなと思っています。

屋上養蜂に関しては、既に今年(2020年)の5月1日にミツバチを2群だけ屋上にもっていって、トータル150kgくらいのはちみつが採れました。当初はその3分の1でも採れたら十分だと思っていたので予想を遥かに超える量が採蜜できてミツバチって本当にすごいなと思いました。また、浜松の市街地は建物が多く都会的な印象ですが、ミツバチが共生できる自然環境がまだまだたくさん残っているんだなと、そういう可能性も感じました。

そして、実際採れたはちみつがめちゃめちゃ美味しかったので、早く色んな人に食べてもらいたいのですが、今はこういう状況下なので、今年は、採れたはちみつはコロナで大変なまちなかの飲食店さんに全部寄付をさせていただき、ハニーウィークイベントも状況を見て今後開催していけたらいいなと思います。」

KAGIYAビル屋上養蜂での公開採蜜

「はままつ街みつ」〜roof top honey〜

ーー浜松のまちなかで採れたはちみつの名前も決まったんですよね?

長坂
今回のはちみつは、浜松の市街地の資産、財産、自然の恵みだなと思うので、より多くの人に大切にして欲しいなと思いはちみつのネーミングを公募させてもらいました。新聞やインターネットから650件以上の応募があり、最終的に「はままつ街みつ」〜roof top honey〜とサブタイトルのついたはちみつになりました。

このはちみつを使って、来年に向けて商品化できたらいいなと思っているのがハニービールです。今、Octagon Brewingさんの千葉さんにお願いをして、ハニービールを試作してもらっている状況です。

三方よしの精神で
自分も、相手も、地域も第三者も幸せにする

長坂
三方よしとは、一般的には近江商人の教えとして「売り手よし、買い手よし、世間よし」が広まっています。うちでは、初代が生き方として大切にしてきた道徳心、「自分だけではなく、相手も第三者も常に考えて生きなさい」という教えを三方よしとして経営理念にしています。初代もお客様だけでなく、地域の障害者の方との関わりを持ったりとか、常に第三者のことまで大切にしていました。10年前、経営理念を作る際に、初代の生き方を振り返りそれを受け継ぐことにしました。

常に自分と相手と第三者、例えば三ヶ日の地域の方だったり、浜松だったり、震災地だったり、被災地だったり、常に何か困っている人に心を寄せてやっていこう。

ただ、たくさんはできないので、常にその中で大切にしているのがクリキンディ精神といって、クリキンディというハチドリの話で、山火事があって動物たちはみんな森から逃げ出してしまう中で、そのハチドリだけが川から一滴ずつ水を運んでぽちょんぽちょんと…

長坂
それにすごく感動して、問題が大きいからやっても意味がないではなくて、自分たちにできることを大切にしていこう、自分と相手と第三者にできることはそんなにすごいことでは無いからやらないではなくて、できることは常にしていこうという思いから、地域清掃をしたり色んなCSR活動をすることを昔から大事にしています。

CSRのために何かをするのではなくて、常に三方よしで第三者のことを思うからこそ、自然とこういうことをしよう、ああいうことをしよう、としてこれたのではないかと思います。

それが事業にまたいい影響を与えて、事業作りや会社の考え方の基礎になっていき、やがては自分の生き方のベースにまでなっています。

だからこそ、道徳的に単純に自分も相手も第三者もいい、三方よしで生きる人が世の中に増えていけば、めっちゃ幸せな社会になっていくと思います。

究極的には、会社、企業の目的は、売上を上げることでも利益を上げることでも、事業を拡大することでもなくて、「人づくり」だと思っています。この三方よしで、どれだけ自分と相手以外の第三者のことまで思って生きられる人を増やせるか、それは働いている人もそうですし、ともすれば取引先様も、究極的にはお客様も、そうかもしれないですし。そういう気持ちに感化できたらいいなと。それに自分たちが何よりそういう生き方を大切にしてクリキンディ精神でやっていくというのがすごく大事かなと思っています。

地域のためになにかするってことは
こんなに楽しいことだとこども達に伝えていきたい


採蜜の前に養蜂と浜松のエリアについて説明する長坂社長
長坂
今回のリノベーションスクールを通して、まちなかや新たな企業さんとご縁をいただいたので、そのご縁を大切にしながら、今度出店するお店も自分たちの商売をどう成功させるかだけではなく、第三者のことまで思ったことがどれだけ実現できるのか、そこを1番にやっていけたらいいなと思っています。

三ヶ日という土地があっての養蜂ですし、長坂養蜂場です。なのでこの地域に貢献をしたいという気持ちがすごくあるので、この三ヶ日から今の店が小さいからといって出ていくことはありません。

もし、どこか違う場所に広い場所があったら、そこに移ってよりはちみつやミツバチを中心としたいろんな業態で、ご家族三世代が来て1日楽しめるような場所にしたい、より遠方の方が来ることで、より三ヶ日エリア全体だったり浜松を回遊していくような”ビレッジ”のようなものができたらいいなと思っています。

個人としては、今、同級生や仲間と色んな活動をしていて三ヶ日やこの地域のこども達、またそのこども達に何を残せるかを考えています。何より大人である自分達が、そういう背中をこども達に見せて、地域のために何かするってこんなに楽しいんだよっていうことを伝えたい。最終的にその背中を見て、この三ヶ日で何かしたいというこども達が出てくることが、個人的にもこの地域の仲間とやっているチャレンジになります。